有線通信より約100年の後に真空管が発明され、トランジスタの出現までにさらに50年、その9年後に集積回路技術、そしてその後わずか数年で大規模集積回路技術の開発、続いて超大規模集積回路へと発展した過程を見ると、電子技術の発展の度合いは、年とともに急速に速まってきている。
このような発展をたどってきた電子技術は、その重要な発見・発明のほとんどを、当時、文明・技術水準の高かった外国に負うところが多く、日本独自の発見・発明は残念なことに、わずかであった。しかし、最近は、日本の経済が成長し、また、日本における電子技術が著しく進歩したため、集積回路技術をはじめとし、電子応用技術、電子通信技術などの分野で、日本は世界の指導的な役割をはたすようになっている。大規模集積回路技術や光ファイバ通信技術などは、最近日本で著しく発展した例である。
電子技術史上に残る重大な発見・発明のほとんどは、先人たちの努力によるものである。私達は、先人たちによって開発された電子技術の基礎がしっかりと身につくように学ぶことにしよう。
第1章 半導体素子
第2章 増幅回路
第3章 発振回路
第4章 変調回路・復調回路